Webのサービス企画 ~オンラインマーケティング Webを活用した「売れる仕組み」作り~

オンラインマーケティング ~Webを活用した「売れる仕組み」作り~

Webのサービス企画

「Webのサービス」を「商品」(事業)とする場合の、商品としてのWebのサービスの企画・構築のプロセスとしては、市場分析などを行った上で、そのWebサービスをどのようにポジショニングするかがまず重要になります。また、Webのサービスの場合には、独自性のあるきちんとポジショニングされたサービスではあっても、情報系のサービス単独ではお金を払ってもらうことが難しい場合も多いので、売上をあげる手段をどのように作り上げるかというビジネスモデルまで確立されて事業・サービスとしての骨格が出来上がることになります。

この章では、いくつかの事業プランを例として、上記の事業・サービスの骨格を作るまでのプロセスの具体的な内容を見てゆきたいと思います。

なお、事業・サービスの骨格ができあがった上で、そのWebサービスのためのWebサイトの具体化・構築作業については、「ユーザエクスペリエンスデザイン」のプロセスを参照してほしいと思います。また、そのWebサービスをどのようにターゲットとするユーザ層に認知してもらいプロモートするかについては「マーケティングの一部としてWebを活用する際の企画」を参照ください。

productdesign_web.jpg

デジタル写真のストックインフラサービスを例として

「デジタル写真のストックインフラサービス」を例としてサービス企画としてどのようなことを考える必要があるかを説明してみます。

デジタル写真のストックインフラサービスの詳細はこちらへLinkIcon

このサービス・事業は、デジタル写真はみなネットの向こう側に保存しておくようになるという認識のもとに、そのためにインフラとなる、みなに使ってもらうサービスを提供する事業です。

上記の認識が正しいとしても、Yahoo!フォトのような既存の類似サービスがすでに存在しますので、本プランのサービス内容ではっきりと既存類似サービスと差別化できていて、多くの人に使ってもらえそうかがまずは重要な確認ポイントです。

Yahooが運営しているYaho!フォトをみなが使ってデジタル写真をみながそこに保存するようになっていないが、本プランのサービスであればみなが使ってくれるようになるか、どのような人たちであればまず使ってくれるようになるか、をアンケート調査やグループインタビューなどで深堀して確認する必要があります。

Yahoo!フォトは、単なるデジタル写真のアルバムサービスでネットプリントなどもできるツールという位置づけですが、本プランのサービスはデジカメで撮ったものも携帯で撮ったものも、写真という形のものはみなネットの向こう側のこのサービスにどんどん格納してしまうことにより、家族や友人との記憶の共有の仕方や自分の記憶ツールとしての使い方などが変わってくるし、変えてゆきましょうという、一種の行動形態の変化の提案までを含んだものです。サービスとしての位置づけが違うのですが、その違いがユーザにはっきりわかってもらえるようなものか、わかってもらえるようなサービス内容となっているか、その違いは簡単なコンセプトにするとどのようなことなのか、そのポジションの取り方が簡単なコンセプトにできれば、ユーザにもわかってもらえると思いますし、プロモーションも有効に機能することが期待できます。

また、デジタル写真のストックサービスとしてはお金を払ってもらうのは難しいので、デジタル写真のストックサービスで人を集めた上で、写真のネットプリントを主体にして、写真を使ってのグッズ製作などの機能も用意して売上をあげようとしています。

事業として本プランが成功するかどうかは、まずはこのデジタル写真のストックサービスがユーザに受け入れられて多くの人に使ってもらえるようになるかですが、人が集まったとして、それらの人がネットプリントやグッズ製作をどれだけしてくれて、どれだけの売上までつながるかの見込みをきちんと出して、コストの見込みと合わせて収益確認を客観的に行い、利益がでるという見込みがでるプランを作り上げることが重要です。

健康アシスタンスサービスを例として

「健康アシスタンスサービス」を例としてサービス企画としてどのようなことを考える必要があるかを説明してみます。

健康アシスタンスサービスの詳細はこちらへLinkIcon

このサービスは、自分自身の「栄養管理」は自分できちんと知識も把握した上でプロのサービスもリーズナブルな価格で受けることができる程度のものは受けて(せいぜい月に数千円程度)、自分で主体的・意識的に行ってゆこうと考えている人たちに対して、栄養についての情報やツールやプロのサービスを提供するものです。

このサービスも、健康に関する情報サービスや管理ツールなどという意味では、類似のサービスがWebでもいろいろできてきていますので、それらとのはっきりとした違いがユーザに認識してもらえるだけのポジショニングができているかが重要なポイントです。

アンケート調査やグループインタビューなどで確認をすることが必要といえるでしょう。

また、違いがはっきり認識されて、一定数のユーザは獲得できるとしても、そのユーザ数がどの程度なのか、とくに有料サービスを利用してくれるユーザ数がどの程度で、売上としてどの程度まではあげられそうであるか、の見込みを出すことが事業性の検討のために重要となってくる事業プランです。

そのような見込みを出すためには、定量的な数字が必要となるので、アンケート調査とともに統計資料のたぐいを集めて、根拠のある見込みを出すことを目指すべきです。栄養管理に関する何らかのプロの人の協力を得ることも有効です。