マーケティングの一部としてWebを活用する際の企画 ~オンラインマーケティング Webを活用した「売れる仕組み」作り~

オンラインマーケティング ~Webを活用した「売れる仕組み」作り~

マーケティングの一部としてWebを活用する際の企画

この章では、マーケティング(とくにプロモーション)の一部としてWebを活用する際の企画 (Webのサービスの骨格を作るところ)について解説します。商品・サービスを企画して作った後に、その商品・サービスをターゲットとするユーザ層に知ってもらって気に入ってもらって購入してもらうまでのプロセスにおけるWeb活用の企画です。

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AIDMAからAISASへ

消費者・ユーザに商品・サービスを「知ってもらい」気に入ってもらって購入にいたるまでのプロセスを構築するためには、消費者の購買決定プロセスを考える必要があります。

マーケティングにおける消費者の購買決定プロセス(態度変容プロセス)としては、AIDMA理論が有名です。AIDMAは、新規の商品・サービスを消費者が認知したのちに、購入するまでの心理的プロセスを表しています。

また、インターネットの登場までは、商品の情報はマス媒体から入手するか、実際に店頭で見るしか方法がなかったものが、インターネットの登場により、口コミ情報や製品比較サイトなどを通じて、消費者は多角的な情報を手にすることができるようになりました。消費者はより多くの情報を入手するようになり、意識的に調べるようにもなり、消費者の間で商品についての情報のやりとりなども行うようになっています。このような新しい消費者の購買決定プロセスをモデル化してAISASということが多くなっています。

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コミュニケーション設計とWebの役割の設定

新しい商品・サービスをターゲットとする層に「知ってもらい」興味をもってもらって購入してもらうために行うことは、その商品・サービスの消費者の購買決定プロセスを整備することとなります。消費者の購買決定プロセスが上述のように、企業側からマス媒体や店頭を確保しての一方的な情報提供から消費者側の検索や情報共有などを含めての双方向のやりとりの側面が強くなってきていることもあって、購買決定プロセスを整備することは、消費者とのコミュニケーションを設計するという言い方をすることが増えています。自宅でのテレビ・新聞などの各種メディアでどのようにその商品・サービスとの接点をもつかだけでなく、外出している先での交通広告・ポスターやイベントなどでの接点、さまざまな接点で商品・サービスと接触をもった消費者の中でその商品・サービスに気に入ってくれた人たちがその友人にどのように伝えてくれるかまで、消費者・ユーザのさまざまな状況において、その商品・サービスとどのような接点をもつようにするかを設計する中で、さまざまな接点の中のひとつとしてWebをどのように活用して、どのような役割をもたせるかを決めることが、プロモーションの一部としてのWeb活用における企画の骨格となります。

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Web-Centered Marketing

Webはマーケティングの手段のひとつであって、手段はほかにもさまざまなものがあります。ただ、Webの特徴は、ほかの媒体・手段と比較して、購買決定プロセスの中のさまざまな段階でさまざまな役割をはたすことができる点にあります。これだけみながインターネットを使うようになると、認知獲得の手段にも使えますし、CMでは伝えられないより詳しい情報を伝え納得してもらう手段としてはもちろん適した手段です。気に入ってくれた人が友人にその商品の情報を伝えるためにもWebは適した手段ですし、場合によってはその場で購入することも可能にすることができます。

多くの媒体・メディア・プロモーション手段は、消費者とある瞬間だけ接点をもつものですが、Webはいったん離れても接点を長い期間にわたって持ち続けることを実現しやすい手段でもあり、さまざまな媒体・メディア・手段をつなげる手段ともなりえる手段として特別な面があります。

商品・サービスを「知ってもらい」気に入ってもらって購入までにいたるプロセスを設計する場合には、もちろんWebだけではなく、さまざまな手段を用いて、消費者と多面的な接点をもつコミュニケーション全体の設計を行う必要がありますが、Webの役割はさまざまな側面で多くの役割をはたすことが可能であることは認識しておく必要があると思います。

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